フィンランドが生んだ作曲家J.シベリウス(1865~1957)のもっとも知られている曲で、1899年に作曲。愛国の象徴として親しまれているこの曲、後半途中の美しい旋律は後に歌詞がつけられ『フィンランディア賛歌』として歌われている特に有名な部分です。当時ロシアの統治下にあったフィンランドでは、愛国運動が活発となり、運動の一環として「愛国記念劇」という歴史劇が企画されました。その劇音楽のために、そのころ既に作曲家として地位を手にしていたシベリウスが筆を執り、後に編纂され1つの曲として『フィンランディア』が完成しました。そのような経緯もあり「いたずらに独立心を煽るもの」としてしばしば演奏禁止になったといいますが、現在ではシベリウスを代表する作品として、特に演奏機会の多い作品のひとつに数えられています。