ワーグナー(1813-1883年)は、楽劇を多く作った事で知られる19世紀のドイツの作曲家、指揮者です。ロマン派歌劇の頂点、また「楽劇王」の別名で多くの人に知られています。〔さまよえるオランダ人〕〔ローエングリン〕〔ニュルンベルクのマイスタージンガー〕などが代表作ですが、そのほぼ全ての自作歌劇で台本を執筆し、理論家、文筆家としても知られています。それは、音楽界だけではなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人の一人であったと言っても過言ではありません。
「タンホイザー」は1845年に作られた楽劇で、これまでに「ドレスデン版」「パリ版」「ドイツ語版」「ウィーン版」など多くの版が存在しています。使用された曲も版によって若干違うとも言われています。後に序曲をはじめ何曲かは独立した作品として編曲がなされ、現在でも多く演奏されています。このタンホイザー行進曲もその一つです。