1857年生まれ、イギリスを代表する作曲家エドワード・エルガーは、教会のオルガン奏者を父に持ってはいたが、ほぼ独学で作曲法などを修得したと言われている。管弦楽曲、弦楽合奏曲など多数の作品を残しているが、日本では「威風堂々」と訳されたこの行進曲の第1番が、最も有名である。「威風堂々」は第5番まであり、1番と4番には、行進曲主部と見事な対照をなす民謡風の大変美しいメロディーのトリオ部があることが、人気の由縁と思われる。第1番のトリオは、自国でも喝采を博し、発表した翌1902年、エドワード7世の戴冠式用頌歌「希望と輝きの国」に、皇后のたっての希望でこのメロディーが用いられたのである。