この作品はサブ・タイトルが示すとおりロシアの画家カンディンスキー(Wassily Kandinsky 1866-1944)の抽象絵画作品から受けた印象をもとに作曲したフルート3重奏組曲で、抽象絵画を構成する様々な図形や色彩が各曲の曲想になっています。
20世紀を代表する抽象絵画の巨匠であるカンディンスキーの作品には、着想や題名が音楽に由来するものも多く、一見すると難解で抽象的な画面の中にも躍動的な音楽を感じることができます。本作品では、音程や音型、拍子などを各曲で象徴的に用いながら、カンディンスキー絵画の多様な色彩と幾何学的な形態を描き出しました。
なお、この作品は、長野県松本市で活動する松本フルートアンサンブルの委嘱により作曲し、2006年11月の同団第10回定期演奏会で初演されました。