ヴィーヴ!サクソフォーン・クヮルテット委嘱シリーズとして作曲。“ソナチネ”とは簡単に言えば“小さなソナタ”のことです。ソナタほどではありませんが規則的な形式感のある音楽の一つです。一方、“愛”は普遍的で形式にあてはめることのできない存在…。この作品はそんな枠にハマらない愛を、ちょっとだけ道しるべ(形式)に乗せて作曲してみました。愛の素材が散りばめられたこのユニークな曲は、約9分途切れずに進行していきます。様々な愛の形をご想像頂きながら演奏して頂けましたら嬉しいです!
尚、楽曲形式を練習記号で示すと
序奏 冒頭~8
第一楽章 提示部 8~(第1主題8~/第2主題25~)/展開部45~
第二楽章 89~
第三楽章149~
楽曲全体に一貫した主題を用いているため、あえて第一楽章の再現部は省略する変則的な手法で作曲しています。形式も音楽創りの参考にして頂けましたら幸いです。
最後になりましたが作曲にあたって多くのご助言を頂きましたヴィーヴ!サクソフォーン・クヮルテットのバリトン奏者であり、武蔵野音楽大学時代からの大親友である浅利真さんに心より感謝します。(八木澤教司)