歌劇「運命の力」は、多くのオペラを作曲したイタリアの作曲家「ジュゼッペ・ヴェルディ」の作品で、全4幕で構成されています。この序曲は、1862年初演の原典版では3分程度の「前奏曲」として作られましたが、1869年の改訂時に7分を超える「序曲」として改作されました。現在ではこの序曲だけが単独で演奏される機会も多く、この歌劇の中で最も有名と言っても過言ではないでしょう。
この吹奏楽編曲は、オイレンブルグ版の管弦楽スコアを元に編曲、ソニックアーツ社より出版(現在は絶版)していたものを大幅に改訂したものです。オーケストレーションの変更については、指揮者である時任康文氏に多くの助言をいただき、アーティキュレーションやフレージングなどは、管弦楽で多く用いられているリコルディ版も参考にしています。ソロ・クラリネットは音色を考慮し原曲通りのA管を指定しましたが、Bb管用のパート譜も同梱してありますので、バンド(演奏者)の事情によって使い分けてください。金管楽器(Hrn, Trp, Trb)は原曲に近い編成ですが、コルネット、ユーフォニアムも含めて吹奏楽編成に最適化するように、音の変更がしてあります。原曲では[K]の部分のみでハープが2台使われていますが、ヴィブラフォンとマリンバで演奏できるようにしてあります。オプショナルでハープを入れる場合は、[K]のヴィブラフォンは休んでください。