関西で活躍されているフルーティスト6人で結成された、フルートアンサンブル・ギモナスの委嘱作品。フルート6重奏曲とのご依頼でしたので、キャラクターの異なる6楽章から成り立つ組曲を作曲することにしました。
フルートの作品はこれまで《トリプルあいす》などの可愛らしい系にはじまり、現代的な作風に至るまでたくさん書いてきましたが、今回は新たなテーマを何にすべきか悩んでいました。そんな時に、妻との何気ない会話から「宝石や鉱石」について知り、これまでの自分には無い方向性だと着想を得て挑戦してみました。
各楽章に〈ダイヤモンド〉〈ルビー〉〈トパーズ〉〈エメラルド〉〈ラピスラズリ〉〈ブラックオニキス〉と、異なる色を持つ宝石を名づけています。
なお、正しい英語では「ジュエリー」には複数形の”s”は付きませんが…選びきれなかった石たちの秘める奥深さや魅力を含めて、あえて〝ズ〟をつけて「ジュエリーズ」としています。
ジュエリーが好きな方も嫌いな方も、詳しい方も詳しくない方も、ぜひ、貴方にとっての宝石のような存在を想像しながら「音の宝石」をお楽しみください!
第1楽章から第3楽章は特殊管を使用せずにより多くの演奏家に楽しんで頂けるよう配慮しましたが、第4楽章~第6楽章はアルト、バスフルートを使用し、より音楽の可能性を探求しました。楽章は自由な組合せで演奏して頂いても、抜粋で演奏して頂いても結構ですので、皆さんだけの「宝石の輝き」を見つけてくださいね!
(八木澤教司)