作曲者のバルトークはハンガリーを代表する作曲家です。作曲以外にも民俗音楽学に対して熱心に研究をしていることが知られており、この作品の原曲はルーマニア地方に伝わる民謡などを用いたピアノのために書かれた6曲からなる組曲です。その後、自らの手により小管弦楽に編曲された事で、多くのオーケストラが演奏を人気に火がついたと言われています。日本では、テレビ番組のBGMとして取り上げられるなど耳馴染みのある作品とも言えます。
この版は、警視庁音楽隊長などを務めた小林久仁郎による編曲で、ピアノ版とオーケストラ編曲版両方のスコアを元に自らのアイデアが多々取り入れられたスコアとなっています。従って、オーケストラ版でソロを吹く楽器が違う楽器に割り当てられたり、打楽器の使い方も特徴的と言えます。
1つ1つの小品は全て踊りがテーマになっています。曲によってテンポや曲想は違いますが、「踊り」であるという共通のテーマをしっかり掴み、演奏に際して表現して頂ければと思います。