「夏の果」(なつのはて)とは、晩夏を表す季語です。活気ある華やかな「夏」が、終わるとき、誰もがそこはかとない物悲しさを感じるのではないでしょうか。日本人のもつ「無常観」と繋がるものかもしれません。
この曲は、太古より自然と密接に暮らしてきた日本人の季節に対する感性を表現したもので、長い音符とハーモニーの中に、「もののあはれ」を感じていただければと思います。ゆったりと、拍子を感じさせないサウンドが理想ですが退屈になってはいけません。音色やダイナミクスなどを研究し、あくまでも音楽的に演奏してください。必要に応じて、テンポを揺らすのも効果的でしょう。